書名の通り、声調パターン別で編纂した単語集である。
著者によると、「声調が、覚えられない・聞き取れない・ぶれやすい……そんな悩みを本書でぜひ解消してください。」とのことなので、本書は声調の克服が第一義であるようだ。
声調は日本語にはない概念で、これを苦手とする学習者は少なくない。本書は単語が声調パターンごとにまとめられているので、声調練習用として便利な作りになっている。
一方、単語集という角度から考えると、声調パターン別という切り分けにそれほどメリットがあるとは思えない。「覚えやすく発音しやすい声調別構成」という、おそらくは出版社の言葉が表紙にあるが、声調パターン別にまとめると単語が覚えやすいという話は初耳である。
本書はやはり著者の意図するごとく、声調訓練の一環として利用するのが吉であろう。単語については、ついでに単語も覚える、ぐらいのつもりで考えれば購入を後悔することはないだろう。