ここでは1人でできる中国語学習方法について具体的にご紹介していきます。
どれが優れているというわけでもありませんので、みなさんご自身の性格、学習環境等に合わせて取捨選択、改良していただければと思います。
ここで解説する方法は最も基本的な方法ですのであとは皆さんで工夫を加えてください。
目に入ったものを中国語で描写し、感じたことを中国語で表現する
場所:どこでも
用意するもの:特になし
身の回りにはたくさんの物があります。部屋の中を見回しただけでも無数の物が目に入ると思います。テレビやパソコン、カレンダーやポスター等さまざまです。これらを一つ一つ描写していくだけでもかなりの量になります。
例えば、「カレンダーが壁にかかっている」とか「パソコンが机の上にある」と描写していきます。
ただし、これだけではネタがすぐに尽きてしまうので、「部屋の角にテレビがあり、その下にはビデオデッキが置かれている」「そのビデオデッキはテレビに接続されている」「ビデオは現在録画中」「現在録画している番組は…」と話を膨らませることを心がけてください。こうすることで多彩な表現を練習することができます。
これは屋外でも可能です。人ごみの中では声を出すことができないかもしれませんが、頭の中で話すだけでも十分効果はあります。
私が好きなのは人物描写です。部屋の中の物や通勤中に目に入る景色には限りがありますが、目に入る人間は常に入れ替わっていきます。また人を見る方が物を見るよりもいろいろなことを連想できるので、楽しく訓練できます。
例えば、疲れていそうな中年男性を見て同情したり、国籍不明な女子高生を見て「どこの国から来たんだ?」と思ったり等々…。
想像力次第で話はいくらでも膨らませることができます。中高年の方なら「まったく最近の若い者は…」を中国語でやってみても面白いと思います。一度お試しください。
アルバム回顧法
用意するもの:過去のアルバムや写真
アルバムなどの過去の写真について、それが「いつ」「どこで」撮影されたものだったのか、友人に説明するつもりで会話をします。
もちろん「いつ」「どこで」だけではあっという間に終わってしまうので、そのときの感想を加えたり、一緒に写っている人について解説するなどして会話を膨らませていきます。
コツは、もし自分が写真を見せられた側だったら、何について関心を持ち、質問するのか考えながら進めることです。自分で自分に対して質問して構いません。というよりもむしろその方が自然な形で会話を進めていくことができます。
TV/VTR/DVD利用法
用意するもの:映画・ドラマのVTRやDVD
映画やドラマは広く語学学習に利用されています。その多くはリスニング学習教材という形で利用されているようですが、これは会話訓練教材としても十分 使用できます。
会話の練習なのですから話さなければいけません。見ているだけではダメです。ではどうやって話すのか、ということになりますが、いくつかやり方があります。どれでもいいのでやりやすいものを選んでください。
1.登場人物の役を演じる
誰でもいいので、自分がなりたい役を演じている俳優と入れ替わります。その人物が話す場面になったら一時停止し、場面と会話の流れに合ったセリフを中国語を言います。それから一時停止を解除し、俳優の発言と自分のものを比べてみます。
重要なのは話すことなので、結果的に内容や表現方法が違ってもなんら問題はありません。本来のセリフはあくまでも参考として聞いてください。
また、本来のセリフの中で気に入った表現や自分が思いつかなかった表現などがあったら、別途控えておいて後で覚えてください。
2.自分がその場にいるものと仮定して会話に参加する
登場人物の誰かと入れ替わるのではなく、自分がその場にいるものと仮定して会話する方法です。誰かに成り代わるわけではないので自由に発言できますが、 会話がかみ合わなくなることもあります。
しかしながら、重要なことは話すことなので、細かいことは気にせずどんどん話していってください。
3.セリフや場面についてコメントする
2と似ていますが、当事者として会話するのではなく、第三者としてコメントすることがポイントです。隣に誰かいるものと仮定して、ストーリーや映像について自分の意見を述べるような感覚で話していきます。
4.通訳をする
日本語→外国語の通訳をします。この方法はDVDを使用するのが便利です。DVDの音声設定を日本語に、字幕設定を中国語にして、紙などで字幕の部分の視界を遮りながら、通訳をしていってください。
通訳したら字幕を確認します。全く同じである必要はありません。あくまで参考として確認してください。
注意点
特に映画の場合ですが、タイトルの選択には気をつけてください。日常生活を描いたものを選択するのがベターです。武侠物だと日常生活で使用しない言葉がたくさん出てきます。
もっとも、中国語映画・ドラマの場合は選択の余地が小さいので選り好みできないところが辛いところでもあります。
DVDではありませんが、「中国語教材を斬る!」でも取り上げた「スカパー!」の中国語放送で放映されているドラマを録画して利用してもいいかもしれません。
ちなみに私のおすすめタイトルについては「中国語多聴学習のための映画・ドラマ活用法」で紹介してますので別途ご参考にしていただければと思います。
コミック利用法
用意するもの:中国語版(理想的には日中二ヶ国語版)のコミック
日中二ヶ国語版があれば尚のこといいのですが、現状ではまだ販売されていませんので中国語版のコミックを使用します。
利用方法は至って簡単です。セリフの部分を手などで隠しながら、口頭で場面に合った中国語を話していきます。セリフ毎にコミックの中国語を確認し、自分の中国語と比べてみてください。
コミック利用の利点
コミックを利用する最大の利点は中国語の確認がすぐにできることです。DVDも従来のVTRに比べれば随分と便利なのですが、コミックは手をちょっと動かすだけで中国語を確認できるので大幅な時間の短縮ができます。チェックも自由に入れられるので、後で確認したい場合も大変便利です。
また、漫画なので表現が易しいものが多く、初級者でも十分利用できます。中級者以降の方でも身近なものについては意外と抜け落ちていることがあるので、確認のため1冊やっておくのも有意義かと思います。
中国語版のコミックは通常の書店では扱っていませんが、中国からの輸入書籍を扱っている書店がありますので、わざわざ中国に出向かなくても購入可能です。
中国語のコミックを利用した中国語学習法の利点については「中国語教材を斬る!」でも解説していますので、合わせてご参照ください。