中国語語彙学習について語る前にちょっと昔話をします。
語学の達人はヤギ?
一昔前の語学の達人の単語学習に関わる逸話は、どう考えても普通の人にはできないものでした。曰く、「辞書を持ってトイレに籠り、辞書の頭から単語を暗記していき、覚えたページは破って食べた」云々………。
ヤギの遺伝子でも組み込まれているのかと思っていましたが、実際のところこれほど効率の悪い勉強法はないと思います。こんな気合と根性のかたまりのような人のやり方では、大概の人は実践できず挫折するのがオチでしょう。
誓い
そもそも私が語学嫌いになったきっかけは「Umbrella」、そう、中学一年生の頃の話です。こんな長い単語は覚えられませんでした。「L」が二つ重なるなんてナンセンスだと思っていました。以来英語の成績は急降下。高校一年のときには英検3級すら合格することができませんでした。
その後思いがけず中国語を始めることとなりましたが、ここでも語彙力増強は最大の課題でした。このとき取った方法は最も古典的な方法、すなわち、新出単語を単語帳に書き込み、発音しながら何十回と紙に書き続けるというものでした。
ところが、どれだけ覚えても新しい単語は無限に出現してくるし、やっと覚えたと思っていた単語も、少し経つとすっかり忘れている有様でした。
日本国内にいたときも、留学先でも、必死になって単語を覚え続けました。気づいたときには、作成した単語帳は10冊を超えていました。
そんなこんなしている間に中国語はマスターしてしまったのですが、では語彙力に自信があるのかと言うと、正直なところあまり自信がありませんでした。
そんなこともあり、英語の勉強を始めたとき心に誓ったことは、「中国語における語彙学習の悲劇を、英語では絶対に繰り返さない」ということでした。
ここから効果的な単語学習法について、研究と試行錯誤の日々が始まったのです。