これまで折に触れインターネットの発達による中国語学習法の進化について語ってきました。
本項で紹介するチャットはまさにその代名詞と言えるができるかもしれません。
チャットとは
あまりインターネットに詳しくない方もいるかもしれませんので、チャットについて簡単に解説します。
チャットとは「chat」、いわゆるおしゃべりのことで、ここではインターネット上でチャットソフトを使用しておしゃべりすることを指します。
おしゃべりと言っても必ずしも口頭の会話ではなく、携帯のメールのように文字を介してのおしゃべりとなります。
最近は回線速度の上昇とパソコンの高性能化により音声、映像を使用できるチャットサービスも誕生していますが、現状主流を成しているのは従来の文字を介するチャットです。
チャットの利点
中国語会話学習におけるチャットの利点は簡単に会話相手を見つけることができることです。
従来国内で中国人の話し相手を見つけるには一苦労しましたが、チャットを利用すれば会話相手は対応しきれないほど見つかります。
また、パソコンを利用するので会話のログを残すことができるのがチャットのいいところです。会話を終えた後でじっくりと会話内容を確認し、会話表現を学習することができます。
音声チャットではテキストログは残りませんが、パソコンを介したおしゃべりなので簡単に会話を録音することができます。会話を録音しておき、自分の発音や相手の表現を後で確認するのもいいでしょう。
チャット学習の注意点
いいことずくめのチャット中国語会話学習ですが、注意しなければならない点もいくつかあります。
チャットは一種の娯楽です。チャット相手は私たちの中国語会話の先生ではありません。
こちらの中国語力が乏しい段階ではまともな会話ができず、結果として相手に迷惑をかけてしまいます。特に相手がネイティブスピーカーの場合はある程度の中国語力をつけてからチャットを始めることをおすすめします。
また、チャットの中で使われている略語にも注意が必要です。文字チャットではタイプ数を減らすため頻繁に省略語が使用される他、ネット独特の語彙も散見されます。
たとえば「526」何を意味するか分かりますか?答えは「我饿了」。これが「687」になると「对不起」。「88」は「再见」、「56」は「无聊」の意味になります。
これは慣れもありますが、中国語力が乏しい段階でこのような言葉を連発されると厳しいかもしれません。
チャットソフトの選択
チャットソフトの選択は重要です。選択基準は利用人口の多寡と主な利用者層です。
利用者が少ないチャットネットワークを選ぶと会話相手を探すのが大変になります。日本ではWindowsに付属しているMessengerの利用者が多いようですが、 中国ではQQと呼ばれる中国産のチャットソフトが主流です。
一応英語版もありますが、日本語OSのパソコンにインストールする場合文字化けなどの問題が発生する可能性があります。うまくIDが取得できない場合もあるようです。
一方、外国人のチャット相手を求めている中国人は、海外で使用者の多いICQ等を使用している場合が多いようです。
英語版の他、日本語版や中国語版もありますが、こちらも文字化けが発生する可能性は否定できません。
文字化け対策についてはOSの言語環境切り替え機能(Win2000・XP・2003)で言語環境を変えたり、AppLocale Utilityでチャットソフトの使用環境を中国語にするなどしてみてください。