聞き慣れない言葉かもしれませんが、語学会話教授の方法論として「パターンプラクティス」というものがあります。
説明するより例を示した方が分かりやすいかもしれません。
2人の女性がランニングしている絵を見せ、教師が
我每天跑步。
と言って、生徒がリピートします。
次に教師が「小李」と言います。生徒は「我」の部分を「小李」に言い換えて
小李每天跑步。
と言います。次に教師が「小李和小张」と言います。すると生徒は
小李和小张每天跑步。
このように、主語の部分を変えたり、目的語の部分を「钓鱼」等に置き換える他、教師の合図で疑問文に変えたりします。
パターンプラクティスの利点と欠点
上記の例は会話スクールなどで教師の指示に基づいて行われたケースですが、独学による会話訓練として応用することも可能です。この方法の利点は同じ構文を使い回すので、個人で訓練する際陥りやすい文法の誤認を防ぐことができるところにあります。
この方法では口を止めることなく話し続けることが重要です。慣れてくるとすらすらと言葉が出てくるようになり、余裕を持って発話できるので、発音にも気を使うことができるようにもなります。
そして何よりも、ものすごい量を話すことができます。1人で話し続けるのですから、単純に計算しても発話量は2人で会話するときの2倍です。
ただし、痛いことにパターンプラクティス理論に基づいて編集されたテキストは出版されていないようです。もともとスクールなどで教師の指示に基づいて行う練習法であるのためもありますが。
他のテキストを応用することもできないことはないでしょうが、無理があるのは否めないところです。
私の知る限りでは「中国語教材を斬る!」で分析した『ピンズラー中国語』の「問いかけトレーニング」が「パターンプラクティス」の延長線にあるような感じがするぐらいでしょうか。
なお、パターンプラクティス欠点は練習があまりにも機械的で、退屈してしまうことです。強い意志と目的観を持った方にはおすすめできますが、飽きやすい方はやめておいた方がいいかもしれません。