一人で中国語会話

会話力をつけるには「話す」しかない。このことはご理解いただけたかと思います(まあ当たり前の話でもありますが)。要は「話す」機会さえあればいいのですが、「話すことが大切なことはわかるが会話相手がいない」というのが実際のところではないでしょうか。

言うまでもなく、会話は2人以上でするものなのでどうしても上記のような問題にぶち当たりますが、実は「会話」のための練習は会話相手がいなくても可能です。

例えば、「ひとりごと」というものがありますが、これも立派な会話訓練と言えます。要は「話せ」ばいいのですから。

このように、「話す」機会は発想次第でいくらでも作ることができます。自宅でも、通勤中でも、食事中でも可能です。中国語力が向上すれば中国語で夢を見ることだって可能です。いろいろな発想を働かして、「話す」機会を作り出してください。

言い換えと単純化

具体的な練習方法を紹介する前に、一人会話訓練を行う場合のコツについて言及しておきたいと思います。

中国語である以上知らない単語や表現は山ほどあります。特に能動的語彙力が低い場合はそれこそ詰まりまくります。

単語が出てこないとつい辞書を引いてしまいがちですが、会話の訓練を行う際は安易に辞書に頼ってはいけません。実際の会話の場面ではいちいち辞書を引いている時間的余裕はありません。会話相手にしてみれば、一言ずつ辞書を引かれてはたまったものではありません。そんなことが許されるのは、地図を片手に道を尋ねる観光客ぐらいなものです。

分からない単語や表現に遭遇した場合はまず知っている単語だけで表現してみてください。

コツは、複雑な構文はなるべく使用せず、基本的な文型だけを使用することです。例えば

「昨日買い物に行った時、たまたま昔の同僚を見かけたが、名前を思い出せなかったので、声をかけなかった。」

という文章ををそのまま中国語にしようとすると、連詞などが必要になる複文となり、文章が複雑になってしまいます。そこで、

「昨日買い物に行った。」
「昔の同僚見かけた。」
「彼の名前は忘れてしまった。」
「声をかけなかった。」

と分割します。こうすれば連詞を使用する必要はなくなるので、ごく基本的な文法知識だけで表現できるようになります。

このような「言い換え」は現実の会話の中でも非常に役立ちます。また簡単な表現はミスが少なくなるばかりではなく流暢に話せるので、会話の聞き手が受けるストレスもずっと低くなります。

これは非ネイティブだけではなく、ネイティブ間の会話でも言えることです。口頭で複雑な文法表現を使用することは好ましいことではありません。

中国語で説明する

複雑な表現は分割すればいいのですが、知らない単語に遭遇した場合はどうすればいいのでしょうか。もし同様の意味を持つ単語を知っていればいいのですが、それも出てこない場合はどうすればいいのでしょうか。

このような場合、その単語そのものを中国語で説明してみてください。

この場合のコツですが、単語が出てこなくて会話が詰まった時、聞き手の立場に立ってすかさず自分に問いかけることです。中国語で例を挙げると、

「我想买个……」

ここで例えば目覚まし時計と言いたいけどとっさに単語が出てこない場合、すかさず、

「你想买什么?」

と自分に問いかけます。

そして、「目覚まし時計」について中国語で説明していきます。例えば「音が出る時計」とか言ってみます。

詰まった単語についてはメモして、後で中中辞典で確認してください。自分の説明と辞書の説明がどのように違うのか確認してみるのも面白いものです。

ちなみに辞書の確認についてですが、その都度辞書を引いてしまうと会話が切れてしまうので、後でまとめて確認するようにしてください。

次項からは私が実践した方法をご紹介していきます。一般に広く知られているものから、自分で発案したものまでいろいろ試してきたので、参考にしていただければと思います。

ちなみに「目覚まし時計」は「闹钟」といいます。うるさい時計です。面白いですね。

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