会話力はどうやってつければいいのか、と聞かれることがあります。そんな場合私はこのように答えています。
「たくさん話せ」
すごく単純なことなのですが、なぜか軽視されてしまっています。なんだかんだ言っても会話力を向上させるにはこれ以外ないのですが。
リスニング力を向上させたいならたくさん聴けばよく、リーディング力をつけたい場合はたくさん読めばいいのですから、会話力をつけたいのならたくさん話せばいいのです。
5年間300万
では中国語会話スクールに通えばいいのか、というと、必ずしもそうとは限りません。
もちろん会話スクールは有効だと思います。問題は会話スクールに通うだけでは話す量が圧倒的に足りないことです。
例えば、会話スクールで1回1時間の個人レッスンを週4回受けたとします。それを一年間休みなくつづけると約208時間となります。十分な会話力を得るのに必要な練習時間は個人差があるでしょうが、仮に1000時間とすると約5年間かかります。レッスン料を一回3000円と仮定しますと、実に300万の費用が発生します。
これだけの時間と費用を準備できる方がどれだけいるのでしょうか。
「話す」場をつくる
でも安心してください。会話訓練は会話スクールに行かなくてもできます。金銭的な余裕がなく、スクールに通うことができなくても会話は習得可能です。
繰り返しになりますが、会話力は「話す」ことをしないと向上しません。
会話スクールとはこの「話す」場を提供してくれるものです。独学で会話訓練をするのも全く同じで、自分で「話す」場を準備してやればいいのです。
これは何も難しいことではありません。ちょっとした工夫と発想さえあれば、会話訓練の場はいくらでも用意できます。
インプット学習と会話力
ただし、独学で会話訓練をする場合、誤りを訂正してくれる人がいないという問題が発生します。
会話スクールに通う場合はこの問題を講師が解決してくれます。これが会話スクールの利点です。では独学の場合はどうすればいいのか。どうやって誤用の監視をするのか。答えは簡単です。自分でします。独学なのですから。
自分で誤用の監視をするためには、自分で作成した表現が正しいかどうか判断するだけの中国語力が必要になります。
この力を身につけるにはインプット学習を大量に行う必要があります。大量にインプット学習を行うと、自分で作成した表現が文法的におかしくないかどうか、また不自然ではないかどうか直感的に判断できるようになるからです。
それだけではありません。「中国語会話学習を始める前に」インプットを大量に行ってきている人ほどアウトプット力の成長が早くなります。
慌てて会話を身につけようとする前に徹底したリスニングとリーディングに励むことが、実は会話力向上の近道なのです。