中国語会話学習を始める前に

中国語会話をはじめるに当たって、まず注意しておくべきことをまとめておきたいと思います。

正しい発音の習得

「発音、発音」とうるさく言っているのでいいかげんウンザリしているかもしれませんが、会話においてもやはり発音は重要です。

中国語の場合発音を手抜きすると本当に聞き取ってもらえなくなりますので、まずは素直に発音を勉強してください。

発音については中国語の発音と四声をご参照いただければと思います。

インプット学習の重要性

会話はアウトプットの分野になるので、会話力を伸ばすにはアウトプット学習を行うのが基本です。会話スクールはいわゆるアウトプットの場を提供するものだと考えていいでしょう。

では会話力を向上させたいだけならインプット学習は必要ないのかというと、必ずしもそうとは限らないのです。

「読む、書く、聞く、話す」の四分野の中で、音を媒介とする「話す」と対を成しているのが「聞く」、いわゆるリスニングです。

アウトプットの練習量が同等の場合、このリスニング練習を多く行っている学習者の方が会話力が高くなる傾向があります。

また、リスニング練習量の多寡は特に会話の流暢さに大きな影響を与えます。会話学習の重点が「流暢さ」から「正確さ」へと移行することを考えると、 会話練習に先行して一定量以上のリスニング学習を行っておくことは有効です。

口語語彙

中国語と日本語の漢字は意味を同じくしているものも多く、日本人が中国語を学ぶ上で大きな利点となっています。

特に読みについては漢字が表意文字であることも手伝って、他の言語を母語とする中国語学習者とは比べ物にならないほど高いリーディング力を持っているのが日本人中国語学習者の特徴です。

ところが、この日中同形同意語の語彙は書き言葉に集中しているため、難しい書き言葉を知っている割には簡単な話し言葉に使用される口語語彙、口語表現を知らない、といういびつな語彙力を持っているのが日本人中国語学習者の現状です。

中国語で会話学習を進めるに当たって、特に初期段階では漢字に頼りすぎず、日本語とはまったく異なった言語を勉強しているつもりで学習を進めたほうがいいでしょう。

誤表現恐怖症

外国語会話の学習は「流暢さ」を追求するところから始まり、後に「正確さ」を要求するのが基本です。

ところが、日本人は書き中心主義の影響を強く受けているため、中国語会話学習の際もどうしても「正確さ」に気がいってしまい、ひたすら誤りを恐れ、発話をためらう傾向が強くあります。

これでは上達するものも上達しません。中国語会話学習の初期段階では過度に文法にこだわらず、コミュニケーションを成立させることに神経を集中させてください。

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