中国語習得の最大の難関は発音だと言われています。発音さえクリアすれば中国語の半分をクリアしたようなものだと。
その理由として、中国語の文法は英語に比べてたいへん学びやすいことが挙げられています。
日本語と中国語における文法上の相違点
まずは主な日本語との相違点について考えてみます。
1.基本的文構造の相違
中国語は「主語、述語、目的語」の順番で並びます。
2.「てにをは」がない
日本語は「てにをは」で品詞の関係を表しますが、中国語にはこれらはありません。その代わり、語順で品詞の役割を表現します。
英語と中国語における文法上の相違点
次に主な英語との相違点について考えてみます。いちいちあげるときりがないので相違がもっとも明確である動詞について考えていきたいと思います。
動詞は英文法において中核的役割を果たします。ご存知のとおり主語の単複数、文の時制に合わせて動詞も変化します。助動詞と組み合わせることによって感情を表すことも可能です。
また、動詞によって不定詞となるもの、動名詞になるもの、どちらでもいいもの、意味が変わってくるものがあります。
さらに仮定法においても動詞の時制がポイントになるなど、動詞が各所で大きな役割を演じているのが英文法の特徴です。
一方で中国語の動詞は英語のような変化はありません。過去だろうが複数だろうがお構いなしです。過去を表す副詞や修飾語などがあればその文章は自動的に過去形になります。もちろん不定詞や動名詞のようなものもありません。
ではまったく変化しないのか、というと、必ずしもそうとは限りません。動詞の後ろに「了」「着」「過」等をつけることで、過去の経験や完了表現、進行形を表します。これを活用と取ることもできなくはありませんが。
語順が命
中国語の文法で最も重要なのが語順です。日本語の場合は「てにをは」で主語・目的語等を判別しますが、中国語は語順で判別するので、語順を間違えると通じなくなります。
中国語では「主語」「述語」「目的語」の順番で並べるのでよく英語に似ていると言われますが、似ているのはこれぐらいです。
例えば、修飾詞が長い場合英語では関係詞を使って後ろに持っていきますが、中国語ではどんなに長くても、日本語のように修飾される単語の前に置きます。このあたりも日本人にとっては学びやすいと思います。
この他、ヨーロッパ系の言語によく見受けられる語彙の性別もありませんし、敬語表現も日本語よりずっとシンプルですし、日本語のような男性的表現とか女性的表現とかいう違いもあまりありません。
唯一?の難関「量詞」
唯一骨が折れることがあるとしたら量詞の数が多いことでしょうか。犬を「条」で数えるというのは、日本人にはなじみにくいものです。
半万能数量詞「個」でいけるところまでは「個」で通し、それ以外は地道に覚えていくしかないようです。
日常の会話の中で、適切な量詞がすぐに出てこないことはよくあるものです。そんなとき何とか思い出そうとして会話を詰まらせるよりは、ひとまず「個」で済ましてしまう方がいいと思います。「個」ならば、不自然であっても、誤解されることはないからです。