よく中国語の発音は難しいと言われます。しかし、現実には言われているほど難しいものではないと私は考えています。
まず中国語の発音構成ですが、中国語の発音は1字=1音節で、一つの音節は、「子音+母音(+尾音)」から構成されています。
英語のように複数の子音が連続したり、前の単語の語尾と後ろの単語の語頭が連結して発音されることもありませんので、日本人にはなじみやすいと思います。
子音は全部で21個ありますが、その中で日本人にとって習得しにくいものは捲舌音と有気音の2種類だけで、そのほかのものは比較的容易に習得できます。母音も難しいのは「e」の音だけです。
難しいのは「声調」
日本人にとって難しいのは、「声調」の方です。これは、日本語の中に声調という概念がないためです。
声調がないといってしまうと語弊があるかもしれません。声調は音の高低の変化です。 日本語にも「橋」と「箸」など音の高低の変化で異なる意味をもつことがあるので、 この意味では声調があるといってもいいのかもしれません。
しかし、日本語の場合かならず2音節以上で音の変化を表すのに対し、中国語では一音節の中に音の変化があるのが特徴です。日本語の発音では1音節の中で変化することはありませんので、これが中国語の声調を難しく感じさせる原因になのでしょう。
ただし、難しいといっても「声調」を意識して、一つ一つで読み上げるのは簡単です。問題は、実際に使用する場合、いちいち声調に気を回している余裕がないことにあります。
そんなことをしていたら肝心の発言内容の質に影響が出てきてしまいます。無意識に声調を操れるようにならなければいけないのです。
ここがやっかいなところなのですが、中国語を学習する上で、声調の習得はどうしても避けられません。これは声調による語彙の区別が中国語にとって不可欠な要素となっているからです。