勉強時間の作り方
中国語の勉強をしたいけど時間がない、という意見をよく耳にします。確かに社会人には残業がつきまといますし、主婦でも家事育児に追われてしまいます。
とはいっても時間そのものがない訳ではありません。時間は誰でも平等に1日24時間持っているものです。
要はこの24時間の中からどれだけの勉強時間を捻出するか、という点にあるのですが、これは中国語がその学習者にとってどの程度の地位を占めるかによって自然と決まってきます。
時間配分の法則
時間には1日24時間という不変の制限がありますので、本人がより重要だと考える事項に優先的に配分していきます。
睡眠欲、食欲、性欲は人間の三大欲求なので、時間は通常これらへ優先的に配分されます。
その後にその他の項目へ配分されていきますが、人によってはこの三大欲求よりも優先的に時間を配分されるものがあります。
例えば、仕事中毒の人は睡眠時間を惜しんで仕事をします。これは、この人にとって仕事は睡眠よりも重要だと認識されるからです。
また、私の友人でゲーム好きな奴がいますが、人気新作ゲームが発売された時などは48時間ぐらい不眠不休でゲームを続けます。そう言えばお隣の韓国には86時間ぶっ続けでネットゲームをして死亡してしまった人もいましたね。
3度のメシより中国語が好き
語学の世界にも、このような類の人間がいます。「3度のメシより中国語が好き」という奇特な方々ですが、中国語の達人の中にはこのようなタイプの方が多いようです。
もちろんこのようになれとは言いません、が、中国語習得への近道は中国語を好きになることです。
好きになれば優先順位は自然と上がります。優先順位が上がれば配分される時間もどんどん増えていきます。
この他、差し迫った事由や、明確な目的意識がある場合も優先順位は上昇します。突然の海外赴任などはよい事例でしょう。
これら要素に欠ける場合はなかなか優先順位が上がりません。そんな場合は中国語を習得した後の自分の姿を想像することなどで、目的意識を向上させるのもよいかもしれません。
細切れの時間を使う
いくら好きになっても、仕事や家事等の拘束時間が長い場合はどうにもならないではないか、と思われるかもしれません。
たしかに、一つの言語を習得するには、相当程度の時間を要します。
しかしながら、中国語は別に1時間、2時間といったまとまった時間がなければ勉強できないというものではありません。
5分、10分といった細切れの時間をかき集めても十分可能なばかりか、かえってそういった短時間分散型の方が集中して勉強できるため、時間当たりの学習効果がより高くなることがよくあります。
時間は「作る」もの
語学の特徴の一つとして、机に向かわなくても勉強できるということがあります。
通勤時間中でも、炊事洗濯の間でも、食事中でも、風呂やトイレの時間でさえも中国語の勉強はできます。
社会人で多忙な中でも中国語を身につける人は、これらの時間を上手に利用しています。
本当に「中国語を身につけたい」という意識があれば、細切れ時間の有効な利用方法はどんどん頭に浮かんでくるものです。
勉強時間の使い方
以前中国語を身につけるためには少なくとも3000時間は必要になるという話を紹介したことがあります。
これだけでも十分やる気をなくさせる数字ですが、これはただ単に中国語を「身につける」のに必要な時間というだけです。
中国語を志している方の中には将来通訳や翻訳など中国語専門職に就きたいと考えている方も多いと思いますが、これら中国語専門職で仕事をするには、10,000時間必要になるとも言われています。
これからも分かるように、中国語を志す以上時間はいくらあっても足りないのです。
とにもかくにも徹底的に無駄を排除し、効果が低いものには時間を使わないことが重要です。
勉強時間と「量」の関係
以前中国語学習の「中国語学習の最適化」について言及しましたが、時間が必要になるのは、この「量」の部分が無限にあるためです。
問題はこの「量」の部分についてです。多くの学習者が勉強時間=「量」と考えていますが、かならずしもそうとは限りません。
「量」とは純粋に英語に接している時間のことです。「聞く・話す・読む・書く」、さらに英語で「考える・思う」時間が「量」に当たります。
これら以外の行為、例えば辞書をめくっている時間や解説を読んでいる時間、カセットテープの早送りや巻戻し中の時間、単語帳を作成している時間等はこの「量」の時間には含まれません。
「量」とは中国語の「使用時間」のことです。この「勉強時間」に占める「使用時間」の割合を増やすことが、中国語を短期間で習得する鍵となります。
時間がないのに中国語力を伸ばす人の秘密
仕事等で忙しくて勉強する時間が確保できないのに、中国語力の伸びが速い人の秘密はここにあります。
忙しい人は細切れの時間を利用するしかありません。細切れの時間を利用する場合、利用可能な時間は数分、長くても10分ぐらいなので、無駄なことをしている余裕はありません。
このため、自然により時間効果の高い勉強を選択するようになり、結果として短期間で身につけてしまいます。
今までこのようなスタンスで勉強してこなかった方は、一度ご自身の日常の勉強の中で実際にどのくらい英語を「使用」しているかどうか確認してみてください。
特にたくさん勉強しているにも関わらず一向に英語力が伸びない方は、無駄な時間を使っていないかどうか自分の勉強法を見直してみてください。
例えば、1日30分しか勉強する時間が確保できなくなったら、どのように勉強するか考えてみてください。
人工的にそのような環境を作り出してみてもいいかもしれません。人類の歴史からも分かるように、人間は追い詰められた方がいろいろな知恵が生まれるものです。余った時間は洋画鑑賞にでも当ててください。
中国語学習の発想転換を
もしかしたら、「勉強時間を確保する」という言い方そのものを考え直した方がいいのかもしれません。
「今日はよく勉強した」ではなく、「今日はよく使った」という発想に変えれば、使用時間は自然と増えてきます。
ともかく、中国語は「使用」するものであるということを忘れないでください。