「…に」「…から」の意で行為者を表す介詞には“被”“叫”“让”“给”“为”“于”“由”などがある。
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行為者を表す介詞には以下のようなものがある。
介詞 | 例文 |
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被 |
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让 |
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叫 |
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给 |
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为 |
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于 |
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由 |
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受身
行為者を導く介詞は,そのほとんどが受身表現で行為の主体を導くものである。受身表現は「A(受け手)+介詞+B(行為者)+動詞句」の語順になる。受身用法については受身表現の項も参照のこと。
受手 | 介詞 | 行為者 | 動詞フレーズ | 和訳 |
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我 | 被 | 老师 | 批评了一顿。 | わたしは先生に叱られた。 |
- 我的自行车被谁骑走了?
- 誰がわたしの自転車を乗って行ったんだ。
- Wǒ de zìxíngchē bèi shéi qí zǒu le.
- 蛋糕又让妹妹吃了。
- ケーキはまたお姉ちゃんに食べられてしまった。
- Dàngāo yòu ràng mèimei chī le.
- 我的压岁钱叫我妈收走了。
- お年玉は母に持って行かれた。
- Wǒ de yāsuìqián jiào wǒ mā shōu zǒu le.
- 裤子给大雨淋湿了。
- ズボンが大雨で濡れてしまった。
- Kùzi gěi dàyǔ lín shī le.
“把”との併用
““被”“让”“叫”は同じく介詞で「把」構文を作る“把”と併用することがある。“把”が導く名詞は主語を繰り返したものか,主語に属するものとなる。
介詞 | 例文 |
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被 |
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让 |
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叫 |
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比較:“被”“让”“叫”
“被”“让”“叫”は受身表現を作る介詞を代表するもので,意味用法は基本的に同じだが,“被”は書面語の色彩が強いのに対し,“让”と“叫”は主に口語で用いる。また,“被”は行為者が不特定多数であったりはっきりしない場合,または明示する必要のない場合,“被”の後ろに置く行為者を省略できる。行為者が省略された“被”は介詞の目的語が存在しないため,介詞ではなく動詞の前に置き受身の動作であることを表す助詞であると解釈できる。“叫”がこの用法で用いられることは少なく,“让”にはこの用法はない。
例文 | |
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◯ |
|
× |
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“被/为”+名詞+“所”+動詞
“被”と“为”は書面語で“所”と呼応して「“被/为”+名詞+“所”+動詞」の形で用いる。この“被”と“为”は相互に置き換えることができる。“为”の受身用法はこの形に限る。
介詞 | 例文 |
---|---|
◯ |
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◯ |
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執行者を導く“由”
“由”は執行者や責任者を導く。受身表現を作る介詞が多い中で,“由”は異色の存在である。
- 这篇论文是由我们小组翻译的。
- この論文は我々グループが翻訳したものだ。
- Zhè piān lùnwén shì yóu wǒmen xiǎozǔ fānyì de.
- 这个项目由张总亲自接管。
- このプロジェクトは、張社長が直々に接収管理する。
- Zhège xiàngmù yóu zhāngzǒng qīnzì jiēguǎn.
- 关于这个问题由李主任来解释。
- この問題については李主任が釈明する。
- Guānyú zhège wèntí yóu Lǐ zhǔrèn lái jiěshì.