数量詞“一下(儿)”と“一会(儿)”は,いずれも補語や状語になり短い時間を表すが,そのニュアンスは多少異なる。
補語用法
“一下”が補語になる場合,「ちょっと…する」「ちょっと……してみる」の意で動量補語になるのに対し,“一会”は「ちょっとの間」「しばらく」の意で時量補語になる。
例文 | 和訳 |
---|---|
| ちょっと見る。 |
| 少し寝る。 |
“一下”は動作の視点から,“一会”は時間の視点から表現するが,“一下”が継続する動作を表す動詞を修飾する場合,両者の意味はほぼ重複する。
例文 | 和訳 |
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| ちょっと待って。 |
| ちょっと待って。 |
ただし,“一会”は文脈によっては少し長い時間を指すこともある。
- 总经理正开着会,请等一会儿。
- 社長は只今会議中ですので,しばらくお待ち下さい。
- Zǒng jīnglǐ zhèng kāi zhe huì, qǐng děng yī huìr.
継続する動作と継続しない動作のいずれの意味も持つ動詞を修飾する場合,一般に“一下”は継続しない動作を,“一会”は継続する動作を修飾する。
例文 | 補足 |
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| “过”は「(ある場所を)通り過ぎる」の意 |
| “过”は「(時間が)たつ」の意 |
状語用法
“一下”と“一会”は共に状語になる。“一下”は「いきなり」「急に」「ごく短い時間」「短期的に」「しばらくして」「いっぺんに」などの意を,“一会”は「すぐ」「まもなく」などの意を表す。状語用法の“一下(儿)”は“一下子”とすることもある。
例文 | |
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一下 |
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一会 |
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定語用法
“一会”は時間を表す名詞を修飾することができる。連体修飾を表す構造助詞“的”は使っても使わなくてもよい。“一下”にはこの用法はない。
例文 | 和訳 |
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| ちょっとの間 |