動詞“认为”と“以为”はいずれも人や事物に対する判断を表し,「…と思う」「…と考える」の意味になるが,そのニュアンスは異なる。
理性と推測
“认为”は理性や合理性などに基づいて判断を下すのに対し,“以为”は推測に基づいた判断を表す。このため,“以为”は「…と思っていたのに(事実とは違っていた)」の意味で,推測による判断と現実が違っていたときに用いられることがある。※中検3級レベル
例文 | |
---|---|
理性や合理性に基づいた判断 |
|
推測に基づいた判断 |
|
事実と合わない思い込み
事実と合わない思い込みを表す“以为”は,前に“满”“很”“还”など少数の程度副詞を加えることができる。
- 他满以为她会答应,可她一口回绝了。
- 彼は彼女が承諾するものとばかり思い込んでいたが,彼女はきっぱりと断った。
- Tā mǎn yǐwéi tā huì dāying, kě tā yīkǒu huí jué le.
- 他很以为自己多么了不起的人物。
- 彼は自分のことをすごく立派な人物だと思い込んでいる。
- Tā hěn yǐwéi zìjǐ duōme liǎobuqǐ de rénwù.
- 原来是你,我还以为是小李呢。
- なんだ君か,李さんかとばかり思っていた。
- Yuánlái shì nǐ, wǒ hái yǐwéi shì xiǎo lǐ ne.
遠慮
“认为”は自信のある判断に用いるが,結果として断定的で不遠慮な感じを与えることもある。一方“以为”の語気はやや軽く,遠慮気味で控え目な感じを与える。
ニュアンス | 例文 |
---|---|
不遠慮な感じ |
|
遠慮気味 |
|
慣用句
“以为”は慣用句の一部に用いられることも多い。
慣用句 | 和訳 |
---|---|
| 独りよがりである |
| そうとは思わない |
| ほんとうだと信じる |
| 強がる |
| 繰り返しているうちにすっかり慣れっこになる |