「…で」「…によって」「…を用いて」「…でもって」の意で手段・方法を表す介詞には“用”“拿”“把”“将”などがある。
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“用”は手段・方法を表す介詞を代表するもので,口語書面語を問わず広く用いられるが,口語では“拿”も頻繁に用いられる。また,主に処置を表す“把”にもこの用法がある。処置を表す用法から派生したものだが,使用頻度は低い。同じく処置を表す“将”は成語や方言で用いられる。
介詞 | 用例 |
---|---|
用 |
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拿 |
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把 |
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将 |
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用
“用”は「…で」「…を用いて」等の意で道具や材料その他さまざまな媒体を導き,手段や方法を表す。手段・方法を表す介詞を代表するもので,口語書面語を問わず広く用いられる。“用”の用法については手段・方法「用」の項目も参照。
- 用剪刀剪纸。
- はさみで紙を切る。
- Yòng jiǎndāo jiǎn zhǐ.
- 她用汉语写贺年卡。
- 彼女は中国語で年賀状を書く。
- Tā yòng hànyǔ xiě hèniánkǎ.
拿
意味用法は“用”に準じるが,口語に用いることが多い。また,“拿”の原義は「つかむ」ことであり,手段や方法を表す用法はここから派生している。このため,原義として「用いる」の意を表す“用”がやや無機的な語感になるのに対し,“拿”は状況・状態をより躍動的に描写する感が強くなる。
- 我喜欢拿钢笔写字。
- わたしは万年筆で字を書くのが好きだ。
- Wǒ xǐhuān ná gāngbǐ xiě zì.
- 贪官拿公款吃喝玩乐。
- 汚職官僚は公金で酒食遊楽にふけっている。
- Tān guān ná gōngkuǎn chīhēwánlè.
把
主に処置を表す“把”も手段や方法を表すことがある。処置を表す用法から派生したものと考えられるが,適用範囲は狭く,上記の“用”や“拿”をこの“把”に置き換えることができない場合が多い。
- 他悄悄地把手向我暗示了。
- 彼はそっと手でわたしに暗示した。
- Tā qiāoqiāo de bǎ shǒu xiàng wǒ ànshì le.
将
「…で」「…によって」の意。成語や方言に用いることが多い。
- 将本求利
- 資本を下して利を求める
- jjānɡběnqiúlì