僅差を表す副詞「差点儿」「险些」「险乎」

「もう少しで」「もうちょっとで」「危うく」「すんでのところで」などの意で,ある事態が少しの差で起きるか,あるいは起きないかを表す副詞には“差一点儿”“险些”“险乎”などがある。“差点儿”は“差一点儿”とすることもある。

一覧

副詞例文
差点儿
差点儿没考上。
わたしはもう少しで試験に落ちるところだった。
Wǒ chàdiǎnr méi kǎo shàng
险些
刚才我险些被车撞了。
さっきわたしは危うく車にひかれるところだった。
Gāngcái wǒ xiǎnxiē bèi chē zhuàng le.
险乎
险乎丧命。
彼は危うく命を失うところだった。
Tā xiǎnhū sàngmìng.

意味と用法

意味と用法から以下のように分類できる。

望ましくない事態を免れたこと

望ましくない事態を危うく免れたことを表す。幸運であるというニュアンスを含む。後続の動詞が肯定でも否定でも結果としての意味に変わりがない。

肯/否例文和訳
肯定
差点儿摔倒地上。
Chàdiǎnr shuāidǎo dì shàng.
もう少しで転ぶところだった。
否定
差点儿没摔倒地上。
Chàdiǎnr méi shuāidǎo dì shàng.

実現

望ましい事態が実現しそうもなかったのに実現したことを表す。幸運であるというニュアンスを含む。後続の動詞には必ず否定形を用いる。この用法は“差点儿”に限る。

票很抢手,差点儿没买到。
チケットは非常に売れ行きが良くて,もう少しで手に入らないところだった。
Piào hěn qiǎngshǒu, chàdiǎnr méi mǎi dào.
考试很难,我差点儿没考上。
試験は難しくて,わたしはもう少しで試験に落ちるところだった。
Kǎoshì hěn nán, wǒ chàdiǎnr méi kǎo shàng.

実現しない

望ましい事態が実現しそうで実現しなかったことを表す。惜しいことをしたというニュアンスを含む。後続の動詞は肯定形で,動詞の前に“”を置くことも多い。この用法は“差点儿”に限る。

今天人不多,差点儿就买到了。
今日は人が少なく,もう少しで買えるところだった。
Jīntiān rén bù duō, chàdiǎnr jiù mǎi dào le.
猜题猜得比较准,我差点儿就考上了。
山がそこそこ当たっていて,わたしはもう少しで合格するところだった。
Cāi tí cāi de bǐjiào zhǔn, wǒ chàdiǎnr jiù kǎo shàng le.