「人称代詞」には名詞句だけでなく動詞句を指示するものがあり,統一性を保つためには「人称代詞」とするのが望ましいが,日本人にとっては「人称代名詞」とした方がわかりやすいので,便宜的に「人称代名詞」も合わせて併記する。
単数 | 複数 | |
---|---|---|
一人称 | 我 | 我们 |
咱们(話し手と聞き手の両方を含む) | ||
二人称 | 你 | 你们 |
您(敬称語) | 您们(文章語・非標準) | |
诸位(不定の多人数) | ||
各位 | ||
三人称 | 他 | 他们 |
她 | 她们 | |
它 | 它们 | |
疑問詞 | 谁 |
一人称
一人称複数形には“我们”と“咱们”の二種類がある。“咱们”は北方の口語でよく用いられる表現で,“我们”は状況によって話し手のみを指し聞き手を含まない場合(排除式)と,聞き手も含む場合(包括式)の二通りの使い方をするが,“咱们”は包括式の用法しかない。
二人称
二人称は“你”の他に,敬語となる“您”が存在する。複数形は“你们”のみ。“您”を複数表現する場合は“你们二位”“诸位”“各位”等とするのが普通だが,近来文章語として“您们”が用いられるようになっている。
三人称
三人称は男性が他,女性が她で,複数はそれぞれ“他们”“她们”となるが,男女混在複数の場合は“他们”を用いる。人間以外の事物を表す場合は“它”(複数は“它们”)を使う。
発音はすべて共通で,単数が“tā”,複数が“tāmen”となる。このため,会話の中で“tā来。”と言われても,来る人物の性別は判別できないが,実際には前後の文脈や状況から判断できるため,意思疎通に支障をきたすことはない。
その他の人称代詞
上記で紹介したものの他に,次のような人称代詞が存在する。
人家
“人家”は“他”“他们”“我”の意味で用いる。一人称で用いる場合は親密さとともに不満な気持ちを表すことが多く、三人称で用いる場合は尊敬する気持ちあるいは逆にうとんじる気持ちを帯びる。
名詞的成分の前に用いると,表現が一段と生き生きしてくる。
大家
“大家”は自分を含めても含めなくてもどちらでもよいため,時と状況に応じて“我们”の意味になったり“你们”になったり“他们”になったりする。
“我们大家”のように複数を表す人称代詞の後に同格成分として置かれることも多い。
别人
“别人”は「他人」の意で用いる。