中国語を学ぶ動機が就職転職対策である者が多い。経済成長を続ける中国という巨大国家が日本のすぐ隣に存在する以上、その言語である中国語がキャリアアップの武器になるのは必然であろう。
その一方で、中国語人材を求める企業は、求職者に対し、中国語に加え英語を要求することが多い。というか、中国語が求められるような、いわゆる海外部門では、そもそも英語は最低限の必要能力なのだ。
ここに企業と求職者のミスマッチが生まれる。なぜなら、中国語を選択する者は英語嫌いな者が少なくないのだ。英語が嫌で中国語を身に付けたのに、いざ求職となると、英語ができないことで弾かれてしまうという悲劇が繰り返されている。
このような悲劇が生まれるのは、当人の研究不足と言ってしまえばそれまでなのだが、一方で中国語教育業界がこの現状に触れようとしないところにも原因がある。確かに、中国語教育サービスを提供する側としては、この事実は極めて不都合なものだ。中国の発展を強調し、中国語習得後の人生をバラ色に描かなければ、売れるものも売れない。
彼らを恨んでも何も始まらない。彼らも商売なのだ。自身のキャリアパスは自ら描かなければならない。英語が必要とされるならば、英語を習得すればいいだけの話ではないか。
もちろん、2つの言語を修得することは容易なことではない。現実には2つどころか1つさえ身に付けることができず、挫折して放棄してしまう者の方が多いのだ。
しかしながら、1つ2つと着実に習得していく者もまた存在することを忘れてはならない。奴らにできて、自分にできないことなどないのだ、という信念が勝利への第一歩であり、新たな人生を切り開く偉大な一歩となる。
本稿では、英語と向き合わざるを得ない悩める中国語学習者に、如何にして英語に向き合うべきなのか、そのヒントを提供していきたいと思う。