コンテンツ・機能情報
※コンテンツ一覧は「中国語電子辞書比較表」を、標準機種・上位機種及び前モデルとの差分については「カシオ エクスワード 歴代中国語モデルまとめ」を参照のこと。
解説
以下に新モデルの注目点を列挙する。
ここに注目!①……「大型中中辞典収録」(上位機種のみ)
ついに!待望の大型中中辞典(中国の国語辞典)である『現代漢語大詞典』が収録された。待ちに待ったコンテンツである。キヤノンに遅れること2年、ついにこの空白を埋めてくれた。
中中辞典は中級以降の学習者にとって大きな意味を持つ。中上級者の電子辞書として、カシオが選択肢から除外されてきた理由がついになくなったのだ。
ここに注目!②……「中英英中辞書収録」(上位機種のみ)
これもキヤノンに遅れること2年、ついに中英英中辞書が収録された。英語も並行して勉強する者、すでに英語をマスターしている者にとって有意義なコンテンツである。
ここに注目!③……「方言コンテンツ追加」
『はじめての上海語』『はじめての台湾語』『はじめての広東語』という方言コンテンツが追加された。これもキヤノンに遅れを取っていた分野だが、この空白も埋めたことになる。
ここに注目!④……「多様な中国語コンテンツ」
非常に多彩な中国語コンテンツが収録されています。メインの大型中国語辞書にはおなじみの『小学館中日日中辞典』、専門辞典として『中国語 新語ビジネス用語辞典』『日中パソコン用語辞典』『日中英・電子技術用語対訳集』『日中英固有名詞辞典』、旅行会話コンテンツとして『ひとり歩きの中国語自遊自在』『旅の指さし会話帳 中国語』『Dr.PASSPORT 中国語』が収録されています。
ここに注目!⑤……「中国語検索機能・発声機能」
最早特筆すべき項目ではないのかもしれないが、手書き入力をはじめとする強力な検索機能と、中国語音声発声機能を搭載している。
総括
「ついに」の一言に限る。かつて中国語モデルでキヤノンと覇を競った電子辞書No.1のカシオ、ここ2年はキヤノンの後塵を拝してきたが、2009年版でようやく反撃を開始してくれた。
中でも重要なのが、上位機種「XD-GF7350」にてキヤノンとの対比で最も致命的だった中中辞書の空白が埋められたところにある。しかも、収録されたのは、キヤノンが採用し、中国で最も広く普及している『現代漢語詞典』ではなく、さらに大型の『現代漢語大詞典』である。
これは2006年に出版された最新の超大型辞典で、その収録語彙数は『現代漢語詞典』の倍近い数字になる。まさに上級者のための辞書、と言って良いだろう。
外国人の中国語学習用としてはちょっと大きすぎる嫌いがあるほどの辞典である。翻訳などのプロにとってはうれしいかもしれないが。まさに上級者向け仕様だろう。
中中辞典の規模だけを考えるのならばライバルのキヤノンを越えた、と言えるのだが、それ以外の項目を総合して考えると甲乙つけ難い。
現状明言できることは、中中辞典重視、収録語彙数重視、ならばカシオ、というところであろうか。
一方の標準機種「XD-SF7300」は、2009年モデルの売りであるこれら中中辞書、および英中中英辞書コンテンツは収録されていない。
中中辞書は中級以降の学習者向けコンテンツなので、入門初級レベルの学習者の場合は必須ではないが、名実共に「標準機種」なので、正直なところ寂しい。英中中英辞書は学習者次第であろうか。
また、大型中国語辞典『中日大辞典 増訂第二版』も上位機種限定であるが、これも中級以降の学習者向けコンテンツとなる。
ここからもわかるように、2009年モデルも前作に引き続き「標準/上位機種」はそれぞれ「入門初級者向け/中上級者向け」という立て分けになっている。標準機種でも必要最低限のものはすべてカバーされているが、中級レベルに達している場合は、やはり上位機種が良いだろう。初級レベルにある場合、長く使うつもりで上位機種を購入しても良いが、経済的な余裕があるのならば、中級に達した時点で、その時の最新の上位機種を購入するということで、とりあえず安価な標準機種で済ましておいても良いだろう。
上記辞書コンテンツ以外に追加された中国語コンテンツは旅行会話系の『旅の指さし会話帳 中国語』と『Dr.PASSPORT 中国語』と方言会話系の『はじめての上海語』『はじめての台湾語』『はじめての広東語』で、旅行用としては、他社に比べて充実していると考えられる。
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