『手机』
本作『手机』(ドラマ・日本未公開)は、このサイトでも題材として取り上げた『非誠勿擾』や『天下无贼』と同様に冯小刚監督の映画版もあり、当初はこれを題材にする予定だったのだが、同じ小説を原作としたテレビドラマ版の『手机』が放映され、結構面白かったので、テレビドラマ版を題材にすることにした。
テレビドラマ版はセリフがよく練られており、中国語の教材としての価値も非常に高い。また、現代中国社会の様々な現象や問題もさりげなく反映されており、中国理解の一助にもなるのでは、と思う。
テレビドラマは一般的に映画に比べ会話量が豊富で、日常生活の描写も多いので、語学の題材としては映画より優れている。加えて2時間前後で終了する映画に比べ長く、発音慣れし易いという利点もある。
発音といえば、本作は北京が舞台となっており、何かと「儿」化しているところが多いのも特徴である。「儿」化慣れにはいいだろう。
日本では未公開なので、テレビドラマのDVDを入手する必要があるが、DVDなしでも十分学習できるよう編集していくつもりである。このため、学習題材としての価値が高い部分に加え、ストーリーを追う上で欠かせないシーンも採用していくことになると思う。
なお、ドラマでは複数の場面の切り替えのため飛び飛びになっているものを一つにまとめたり、一部をカットして編集するするケースもあるので、DVDと平行して学習を進める場合はその旨注意されたし。
テレビドラマ版の『手机』は全36集と長丁場となるが、気長にお付き合いあれ。
『手机』第1話その1
前触れもなく突然姉夫婦を頼って上京する于文海。相席となったペテン師が于文海に話しかける。会話が盛り上がってきたところで、ペテン師が于文海から連絡先を聞き出す。
『手机』第1話その2
番組収録に先立って、観客に対して恒例のブリーフィングを行う。それを見ていたプロデューサーの费墨がゴマをすってきたアシスタントディレクターの小马をからかう。
『手机』第1話その3
ペテン師から于文海が心臓病の発作で倒れたと聞いた于文娟はショックで倒れてしまう。知らせを聞いた夫・严守一は病院へ車で急ぐ。
『手机』第1話その4
黑砖头は取締を恐れる兄弟たちを严守一の名で安心させ、博打場を提供することを嫌がる路之信には金を掴ませることで解決。ついでに警察対策の演習をさせる。
『手机』第1話その5
严守一が于文海に上京の理由を尋ねる。于文海は北京で、芸能界関係の仕事に就きたいと严守一に願い出る。
『手机』第1話その6
夜、费墨宅。费墨とその妻・李燕が夕食を取っている。李燕がガイドから内勤に異動したことを费墨に伝えるが、その異動の理由は……
『手机』第1話その7
賭博で警察に連行される黑砖头一派。黑砖头が派出所所長の孙安全に严守一の兄であることを打ち明けるものの、肝心の严守一が孙安全に黑砖头を厳しく罰することを依頼する。
『手机』第2話その1
弟分たちにからかわれる黑砖头は、事態を打開するため孙安全に案を献上するのだが……
『手机』第2話その2
同じマンションに住む费墨を乗せての帰宅の途上、严守一が社長交代の番組への影響について费墨に問い、また車の購入をすすめる。
『手机』第2話その3
夜、费墨宅。背筋をまっすぐ伸ばして食卓の前に座る费墨。费墨の前には李燕が煎じた漢方薬が置かれている。