“山寨”~海賊版?庶民の味方?ケータイ・デジカメから芸能人まで、中国市場を席巻する非主流勢力
コピー品が横行する中国市場ですが、中でも最近注目を集めているのが“山寨机”と呼ばれる、非正規ルートで流れるノンブランドケータイです。
広告費や研究開発費はゼロですから、価格競争力は同等の機能を持つ正規品に比べ圧倒的優位、半値以下なんていうものもザラです。
シロウト的にはどうやって作るんだ、と思いますが、何せそこは「世界の組み立て工場」、部品さえ用意できれば、いくらでも組み立てできちゃうみたいです。組み立て型のパソコンみたいなものでしょう。
最近はケータイばかりではなく、“山寨相机”なるノンブランドデジカメも出現しています。必要な機能をオーダーメイドすることもできるみたいで、結構人気があるみたいです。
メーカー品を模した悪質なパチものから純粋なノンブランド品まで、すべてひっくるめて“山寨”とします。
要は盗賊や反政府勢力が政府当局から逃れるために山中に築いた砦のことです。賊ではありますが、政治が腐敗している時代においては政府に対する対抗勢力として、民衆の支持を受けることもあります。歴史を舞台とした文学作品でもよく描かれる存在で、水滸伝などがいい例ですね。
その姿を、非主流勢力であり、且つ低価格な“山寨”ケータイや“山寨”デジカメに重ねているのかもしれません。
ちなみにですが、最近は“山寨明星”(パチスター?)なるものまで出現しています。要は広告に起用された有名芸能人のそっくりさんなんですけどね。
日本でもいわゆる物まねタレントが広告に出ていますが、日本のそれのように、あくまで物まねタレントとして広告に出ているのではなく、まるで本物がその広告に出演しているかのように演出しているところが中国の“山寨明星”広告の特徴です。
だから本物側が訴訟に持ち込むとかなんとかいう話になってしまいます。こんなことしたら訴訟沙汰になりかねないのは事前にわかっていると思うのですが……
……ということは、訴訟沙汰になってマスコミに取り上げられる広告効果も狙っているのかもしれません。“炒作”というやつですね。マスコミ露出効果はパクられた本物側にももたらされますし、ネタに飢えるメディアも大喜び……もしかして中国式WINWINの関係……でしょうか。