趣味で中国語のお勉強 ~ 中国定期刊行物

前項(「継続は力なり ~ 中国語学習雑誌」)で雑誌を利用した学習の利点として「継続性」を挙げましたが、この特徴を最大限に発揮させることができるものこそ「定期刊行物」の購読です。

学習ライフスタイルの形成

定期刊行物というと漠然としてしまいますが、要は自分の興味のある分野の中国語定期刊行物を中国語テキストとして使おう、という話です。

興味のある分野なので予備知識は十分あります。中国語力が多少おぼつかなくても、それを補って余りある知識がありますから、読解は問題にならないでしょう。

興味のある分野なのでストレスは少ないですし、中国語で読んで理解している、という認識は自信と充実感にもつながります。これが学習効果を高め、中国語力の更なる向上につながるという、好循環な学習スタイルを形成することができるのです。

時間的にもこれまでは日本語で読んでいたものを中国語に置き換えるだけの話なので、新たな時間的負担が増えることもありません。

定期刊行物ですから定期的に刊行物が送られてきます。中国語学習をより自然な形でライフスタイルとすることができる、まさに理想的な学習方法と言ってもよいでしょう。

語彙の偏向

ただし、問題点もないわけではありません。まず第一に、読み物が自分の興味のある分野に限られてしまい、結果として語彙が偏ってしまうという問題があります。

趣味として中国語を学習している場合は別にこれでも構わないのですが、通訳翻訳の仕事を考えているような場合は専門知識のほかに広範な語彙力も欠かせませんから、あまり極端に特定の分野に特化してしまうのは好ましくありません。

まぁこの問題については定期刊行物を副読本として位置づけ、幅広い分野にあたっていけば良いだけの話ではあるのですが。

電子化に期待

もう一つ大きな問題があります。現実問題として、中国語の定期刊行物は手に入りにくいのです。

時事系芸能系の定期刊行物はまだ比較的手に入りやすいのですが、それ以外の分野はかなり難しくなります。中国国内に知人友人がいて、定期的に郵送してもらえる環境があるのならば話は早いのですが、そのような当てがない学習者は難しいかもしれません。

輸入代行業者にお願いすれば個別で取り合ってくれるところもあると思いますが、費用は嵩みます。ある程度の中国語力があれば出版社に直接掛け合って送ってもらうという手もあるにはありますが。

手っ取り早い方法としては、定期刊行物のインターネットサイトを利用するという方法もあります。ただ、必ずしもサイトを開設しているとは限りませんし、開設されていたとしても内容は目次だけ、なんてこともあるのが現状です。

また、インターネットサイトを利用する場合、「いつでも無料で読める」というインターネットの利点が、逆にライフスタイルとしての学習習慣形成にマイナスに作用することも間々あります。

定期刊行物のように自腹を切っているわけでもなく、またいつでも読めてしまうと言う気楽さもあり、知らぬ間に後回しになってしまうのです。

このようなこともあり、有無を言わさず定期的に一定の量が送られてくる定期刊行物のような強制力に欠けるインターネット無料購読は、学習者の自律能力に大きく依存する方法であるとも言えるでしょう。

インターネット購読が有料のサイトの場合はこの限りではありません。持ち歩きに不便という欠点はありますが。ただ、辞書ソフトが使えるという利点もあるなど、マイナスばかりであるわけでもありません。

今後インターネット化が進むにつれ有料電子雑誌も増えてくると思います。明確な趣味がある方は積極的に利用してみてはいかがでしょうか。