教材の特長
提供元:生涯学習のユーキャン(→スマホ用)
以下に公式ページから教材の特長的な部分を一部抜粋する。
- 1レッスンの所要時間は30分。短時間に集中して中国語に接することが上達への近道!
- テキストや筆記用具は原則不要。ピンズラーメソッドでは、耳だけを使い、聴き取ったままを発音することで、耳にも口にも本場の中国語をそのままインプット。
- レッスンは、中国語の質問に中国語で答えるQ&A方式が中心。習ったフレーズから答えを考え、実際に発音するトレーニングで、楽しみながら上達!
- 忘れかけたときに復習の問いかけをする“記憶の呼び起こし”を繰り返すことで、覚える努力をしなくても、記憶にしっかり定着。
予備知識
「ピンズラー中国語」の名が表す通り、米国のポール・ピンズラー博士が開発したピンズラーメソッドに基づいて制作された教材である。
このメソッドは音声のみで学習を進める。音声に従って、真似したり、返答したりしていくのだ。イメージとしては、講師とマンツーマンでレッスンを行うような感じである。もちろん、この「講師」は生徒からの自発的な質問は受け付けてくれないが。
学習者に口を開かせてたくさん話させることを重視しており、特定のフレーズをいろいろな形で繰り返していく。この中には「記憶の呼び起こし」と呼ばれる記憶を定着させるため作業も織り込まれている。1レッスン30分の中で、一定の時間ごとに学習内容を反復させるのだ。
この応答方式と間隔反復練習がピンズラーメソッドの最たる特徴である。
分析
まず、公式サイトに掲載されているアピールポイントから分析してみたい。
- 1日30分!“すきま時間”でいつでもどこでもレッスン
- CDを聴けるところならどこでも学習できるので、教材CDの音声を携帯プレイヤーに移せば、お忙しい方でも、通勤中や仕事の休憩中など、ちょっとしたすきま時間にレッスンできます
30分をすきま時間ということができるのか否かについてはかなり微妙である。個人差はあるだろうが、現代社会では、30分はかなりまとまった時間であるからだ。
この教材では1レッスン30分が基本なので、これより短い時間は利用できなくなる。1レッスンの中で反復練習を行うので、10分3分割という訳にはいかないのだ。
また、この教材は単に聞くだけではなく学習者に発話させるのが特徴であり、電車の中や職場など、人目を憚るような場所では利用は難しい。
この教材は、あくまで自宅など周囲を気にせず発話できる場所で、30分集中して学習することを前提に作られている。その意味では、「“すきま時間”でいつでもどこでも」というのは、少しオーバーな表現であろう。
- テキストや筆記用具は原則不要。ピンズラーメソッドでは、耳だけを使い、聴き取ったままを発音する。
- おおまかな訳は日本語の説明つきなので、内容もラクに理解できます。
読み書きはしないので、机に向かう必要はなく、ベッドやソファーで横になりながらでも行うことができるのは良い。机に向かうのがストレスとなるような人には特に有効であろう。ストレスの原因となりやすい辞書を引く作業も必要ないので、その分ストレスはさらに低くなる。
- レッスンは、中国語の質問に中国語で答えるQ&A方式が中心。習ったフレーズから答えを考え、実際に発音するトレーニングで、楽しみながら上達!
この方式が楽しいものであるか否かについては個人差があると思う。まるごと一課試聴できるので、試してみると良いだろう。
- 忘れかけたときに復習の問いかけをする“記憶の呼び起こし”を繰り返すことで、覚える努力をしなくても、記憶にしっかり定着する
これがピンズラーメソッドのキモである。市販テキストを使った独学では困難である復習間隔の管理を無理なく行うことができるのだ。
評価
この教材は講師がCDになっているとイメージするのがわかりやすい。質問することはできないが、忘却曲線を踏まえた間隔反復練習を正確に誘導するなど、人間では実行が難しい時間管理を確実に行ってくれる。
また、とにかく学習者に口を開かせて発話させることに重点がおかれている。このようなアウトプット型のメソッドは、単に聞くだけのインプット型に比べ学習効果が高い。インプット型メソッドで集中して30分聴き続けたとしても、その効果はアウトプット型には遠く及ばないのだ。故に、ピンズラー中国語を使用した場合の時間当りの学習効果は他の教材に比べ高い。特に、学習過程の発話量が圧倒的に多いので、会話力の向上は他の教材を使用した場合に比べ顕著に高くなるだろう。
結局のところ、このメソッドの効果は、30分間みっちりと集中することができるか否かにかかってくる。それができるのならば、この教材は確実に効果が上がる。間違っても「聞き流し」系教材のような使い方をしてはならない。
また、欧米系の語学メソッドは、英語話者がフランス語やスペイン語など、或いはその逆も然りだが、母語との差異の小さい言語を学ぶことを最前提に設計されているので、日本人が中国語を学ぶのに最適であるとは限らない。
この教材では発音もCD音声を真似ることで学ぶが、日本人の中国語発音学習としては、このような学習方法は好ましくない。このため、この教材に先立って発音構造を理論的に理解し、曲がりなりにも発音できるようにしておく方が良いだろう。
一般的な学習メソッドとは一線を画するものなので、従来の方法でなかなか身に付かないでいる人や、挫折を繰り返している人は、試してみる価値が十分あるだろう。ハマれば大化けさせてくれる教材だ。
体験談募集
実際にこの教材を使用したことのある方からの感想を募集します。賞賛・酷評なんでも構いません。率直な意見をお待ちしています。教材には向き不向きがあるので多くの方の意見を集めることでより客観的な評価を下すことができます。貴重な体験談をお待ちいたしております。体験談の投稿はメールでお願いします。
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