語彙
- ※記号の意味(重要度は数字が多いほどが重要度が増します。)
- ▽:重要度1
- △:重要度2
- ◇:重要度3
- ◎:重要度4
- ☆:重要度5
- ※同じ級の枠の中でも右に行けば行くほど中国語のレベルが高くなります。
- ※入門終了は中検準四級合格レベル、初級終了は中検三級合格レベル、中級終了レベルは中検準一級、HSK8級合格レベルが目安。
入門 | 初級 | 中級 | 上級 | |
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語彙 | ▽◇ | ◇◇◎◎◎◎ | ◎◎◎◎◎◎◎◎ | ◇◇◇◇△△△△ |
→→→→→→→ 中国語力は右に向かって高くなる →→→→→→
語彙学習、カタカナで俗にボキャビルと呼ばれる単語の暗記、何人も認めるもっとも基本的な語学項目です。
語彙力、単語力と言ってもいいですが、その重要性についてボクシングに例えるのならウェイトみたいなものです。多少なりとも格闘技に関する知識がある方はすぐお分かりになると思いますが、重量が重い方が絶対的に有利、ある程度テクニックでごまかしは効きますが、パンチの重みが違うので、重量級と軽量級では勝負になりません。だから、ボクシングなんかでは重量で細かく級分けするんですね。
単語力もこれに順じます。会話ではテクニックなどである程度ごまかしは効きますが、ちょっと長く話させれば、その人の総合的な中国語力がどの程度のものであるのかはすぐにわかります。その基準になるのが単語力なのです。
語学を続ける以上単語学習は常に続きます。人間の記憶力に基づいて考えれば、語彙なんて無限に近いぐらい存在するものですから。なにせ忘れるのが早い。使用しない語彙は覚えた先から忘れていきます。だから実質的には無限となるのです。
このエンドレスな学習が苦になるかならないか......中国語が身につくか否か、中国語を楽しく学習できるか否か、など、中国語学習の成否・苦楽は単語学習にあり、と言っても過言ではないでしょう。
上級単語地獄にご用心
このように、単語学習は常に語学と共にあるような存在なので、その重要性も初期から後期まで長く継続します。
ただし、入門では発音に重点が置かれる分、相対的に重要度が低くなります。また、上級では新しい単語を覚えることよりも、既出の単語における習熟度を高め、修辞的な技法を身に付けることに重点が移っていくので、相対的に徐々にではありますが、重要度は低下していきます。
そもそも、このレベルになると、新出単語は頻出度が低いものばかりですから、覚えたところでほとんど使う機会がありません。使う機会がない単語はすぐに忘れていくものですから、初中級レベルの単語のように、使って覚えることがなかなかできなくなります。
このため、その記憶の難易度は初中級レベルのそれとは比べ物にならないほど高くなります。そこにあるのは故に覚えては忘れ、忘れては覚え直して......という、ブラックホールのような終わりのない単語学習地獄でしかありません。
故に、上級レベルに到達したら、単語については深追いしない方が無難です。どうせ覚えきれないんですし。そんなことに費やす時間があったら、別のものを学んだ方が有益です。
初級レベルと中級レベルにおける学習方法の相違
このような理由から、単語学習が大きなウェイトを占めるのは、初級中期から中級となります。
ただし、実践上においては、単語の難易度(頻出度とほぼ同義)に応じて、その学習方法を変えていく必要があります。
初級レベルで学ぶ単語は、その多くは頻出度が非常に高いので、単語の暗記は相対的に容易です。このレベルの単語は、単語帳などを作る必要はありません。リスニングやリーディングの中で、また、会話や作文の中で使うことで、自然と覚えていくことができるためです。
一方中級レベルの単語については、初級レベルのそれとは頻出度がずっと低くなるため、初級と同じ方法では、よほど大量のインプットやアウトプットを行わない限り、自然と覚えるのは徐々に難しくなっていきます。
このレベルの単語については、リスニングやリーディングのような受身型の方法には期待せず、会話や作文のような能動型の学習の中で意識的に使っていくことで、記憶を確かなものにしていく必要があります。
実際には、単語の難易度は徐々に高まっていくものなので、このようにざっくりと切り分けてしまうのはあまり好ましくはないのですが、ここでは便宜上、初級レベルと中級レベルに分けてお話しています。過渡的なレベルである初級後期から中級初期においては、部分的もしくは段階的に移行するなど、適宜工夫を施す必要があることを付け加えておきます。