文法
- ※記号の意味（重要度は数字が多いほどが重要度が増します。）
- ▽：重要度１
- △：重要度２
- ◇：重要度３
- ◎：重要度４
- ☆：重要度５
- ※同じ級の枠の中でも右に行けば行くほど中国語のレベルが高くなります。
- ※入門終了は中検準四級合格レベル、初級終了は中検三級合格レベル、中級終了レベルは中検準一級、HSK8級合格レベルが目安。
| 入門 | 初級 | 中級 | 上級 | |
|---|---|---|---|---|
| 文法 | ▽◇ | ◎◎◎◎◎◎ | ◎◎◎◎◎◎◇◇ | ◇◇△△▽▽▽▽ |
→→→→→→→→ 中国語力は右に向かって高くなる →→→→→→→
文法は、成人後の中国語学習者にとって中国語習得のための最大の武器となります。文法偏重で「文法アレルギー患者」を大量生産した中学高校学校英語教育と、そのアンチテーゼである文法無視系英語学習メソッドの影響もあって、中国語学習においても文法を否定する反文法論者が存在しますが、論理的な理解力に富む成人にとって、言語を論理的に分析してくれる文法は、学習効果を1000倍にも高めてくれるであろうスグレモノなのです。
中国語入門レベルにおいては、学習対象となる文法項目が非常に簡単なものであるのに加え、日本人の中国語学習の特殊性による発音の重要性が群を抜いているため、表においては文法学習の重要性は相対的に低く評価されていますが、文法項目は入門初級から中上級にかけてその重要性が長く継続する項目となっています。
入門初級の文法と中上級の文法には質的な相違が存在する
入門初級で学ぶ文法と中級以降で学ぶ文法には質的な相違が存在します。入門初級レベルで重要視されるのは、一般的に認識されているところのいわゆる文法ですが、中上級レベルにおいては頻出度が低い虚詞（機能語、副詞・介詞・接続詞・助詞など）や個別の語彙に特異に見られる例外的な用法に重点が移ります。
中国語習得の目的に応じて、中上級レベルの文法の重要性が変動する
このように、学習者のレベルに応じて学習対象となる文法に質的な変化がおきるため、中上級レベルにおいては、学習者の中国語習得目的に応じて、文法の重要性もまたそれぞれ変わってきます。
中国語の習得目的が会話重視の場合は、中上級レベルにおける文法学習の重要性は表に比べずっと低くなります。これは、会話において多用される文法項目が、入門初級レベルで習得するものに集中しているためです。
また、会話においては多少文法的に瑕疵が存在しても、それほど大きな問題にはなりません。会話においては息の切れ目を入れることで語順の制限が大きく緩和されますし、文章が音と共に消えていくため、文法的な瑕疵が気にならないのです。
一方でライティングを重視する場合は、より正確な文法力が要求されます。ライティングにおいては字として表現が残るので、会話に比べ文法的な瑕疵が目立つのです。
ライティングが文法学習に大きな効果を発揮するのはこのためでもあります。書かせてみれば、文法の習得程度が一目瞭然となりますから。
また、これは書くものにもよりますが、ライティングにおいては、一般的な会話よりもより格調を求められる傾向が高くなります。
同じ意味であっても、口語でしか使わない文法表現もあれば、書面上でしか使わない文法表現もあります。格調が求められる文章では、往々にしてこのような書面用の文法表現が必要になるのです。
このため、ライティングが重要になる場合は、中上級レベルにおける文法の重要性が相対的に高まります。
もちろん、だからといってライティング重視の場合における入門初級文法の重要性が低くなることはありません。入門初級文法は会話重視の場合と同様か、それ以上の重要性を持ちます。中上級レベルの文法はそれにプラスされるものです。