中国語学習革命~パソコン・インターネットの衝撃

インターネットの普及とパソコンの高性能化は語学に大きな影響を与えています。本稿ではまずこの点を明らかにするところから論を進めていきたいと思います。

価格破壊

パソコン・インターネットがもたらした最もわかりやすい影響は価格破壊です。電子版テキストは通常のテキストで発声する紙代、印刷代、流通マージンなどの費用が価格に転嫁されないので、商品価格が低く抑えられます。

従来のテキストでは、音声ソースはカセットやCDなど、別の形で提供されてきました。そういえば、カセットテープの時代は別売りで、しかも高価でしたね。後にCDに収録されテキストとセット販売されるようになり、テキスト代金に吸収されたのですが。

また、ビデオのような映像ソースは非常に少なく、また高額であるケースが少なくありませんでした。

これが電子版になると、音声ソースは言うまでもなく、映像ソースも安価で提供されるようになっています。パソコンでホームビデオを取り込んでしまえば個人でも簡単に編集できますから、製造コストが大幅に低減されたのでしょう。

また、会話レッスンなども、インターネットレッスンでは教室の賃貸にかかる固定費がかからない分、価格が低く抑えられます。また、会話レッスンの場合は、人件費の安い中国と日本をインターネットで直接繋ぐことで、講師の人件費も大幅に抑えることができるので、文字通り激安でサービスを提供しているところもあります。

このほか、インターネットは参入障壁が低く、且つ市場圏が日本全土と大きいこともあり、過当競争が発生しやすい特性を持っている点も、価格破壊を招く無視できない要因となっています。

コンテンツの統合

パソコンの強みは、パソコンというプラットホーム上でコンテンツを統合できるところにあります。

テキスト・CDの場合は、テキストはテキスト、音声はCDというように別の媒体を使用していたのですが、パソコンの場合はすべてパソコン上で処理することができるので、相互の連携が取りやすくなっています。

例えば、単語なり例文を選択すれば、その部分の音声を再生できるという機能は、従来のテキスト・CDでは実現できない機能です。

また、パソコン上で処理するので、その他のパソコンソフトとの連携も取りやすくなります。例えば、辞書ソフトをインストールすれば、語義や音声の確認はクリック一つで行うことができます。

辞書に収録されていないような表現もインターネットで探すことができますし、エクセルなどを使用して単語帳を作ることも簡単、音声ソースの編集もソフトウェアを使えば楽なものです。

学習娯楽化

パソコンでは容易に実現できる双方向的な要素、特にゲーム的な要素は、テキストではどうやっても再現できない項目です。

勉強のゲーム化は学習ストレスの軽減に絶大な効果を持ちます。この学習ストレスが挫折の要因であり、且つ学習効果を低減させる元凶の一つであることを考えると、学習を楽しいものにしてくれるパソコンの学習娯楽化機能は、学習者の強い味方であることは言うまでもないでしょう。