もし「中国語マスター」=「簡単な日常会話はペラペラ」と考えているのであれば間違いはないのですが、中国留学するような人が日常会話レベルをマスターできれば良しとしているとは考え難いので、やはり勘違いとしか言いようがないと思います。
「ネイティブは......」は通じない
この勘違いの根底にあるのは一部英会話スクールが垂れ流した「ネイティブ信仰」かもしれません。例の「ネイティブは文法なんて勉強しな~い。」というやつです。
確かにネイティブスピーカーは文法を学ぶ前の段階で簡単な会話をマスターします。これには間違いありません。しかし、これは
- 1.幼児期であること
- 2.24時間(睡眠時間を除いても十数時間)当該言語漬けの生活を送っていること
という前提の上で成り立つもので、成人後に第二言語として外国語を学ぶ中国語学習者には当てはまりません。
たとえ中国で中国語漬けの環境を得たとしても、積極的に学習していかないと成人後の学習者が中国語を身につけることはできないのです。
言語習得能力が幼児に比べ大幅に劣っている成人学習者が効率的に中国語を学ぶには、成人が長ける文法を機軸とした理解型の中国語学習方法を中国語学習プログラムに組み込むことが不可欠です。
これは中国留学に限らず、あらゆる語学留学に共通します。留学で失敗する人の中にはこの点を勘違いしている人が少なくありません。「中国にいるから中国語は問題ない。だから英語も勉強しよう。」と下手に色気を出した結果、英語も中国語も中途半端なんていう留学生もいるくらいですから。
中国留学で失敗するパターン
中国留学で失敗するパターンは上記の他まだまだたくさんあります。その原因は上述のような言語習得理論上の誤解ばかりではなく、性格や生活習慣などに多岐に及びます。まずは思いつくまま列挙してみましょう。
- 1.高卒直行
- 2.潔癖症
- 3.食事が合わない
- 4.中国が嫌い
- 5.内向的
- 6.生真面目
こんなところでしょうか。順番に解説してみます。
1.高卒直行
高校卒業後日本の大学に行かずに中国へ留学してくる学生がいますが、このパターンで成功する人は少ないのではと思います。
自分の意思で中国留学する場合は多少マシだと思いますが、その多くは大学受験に失敗した高校生が親に送り込まれてくるというケースが多いようです。
このような学生はもともと学習意欲が低い上、留学生を客としてしか扱わない中国側の大学も多いので、満足に授業に出席せず、ゲームで遊んでばかりという学生も少なからずいます。
2.潔癖症
中国の衛生状況は年々改善されてはいますが、日本に比べればやはり大きく劣っています。
過度の潔癖症の方は中国で生活するのは精神的ストレスが大きくなるかもしれません。
3.食事が合わない
食事は基本的に中華です。日本食や洋食も以前に比べ普及してきていますが、価格的に中華よりかなり高額なので、中華を避けて通るわけにはいかないと思います。
こちらの中華料理は日本で食べるような日本向け中華ではなく、本場の中華となります。慣れもあるでしょうが、基本的に炒め物が主流なので、油が苦手な方は食事に困ることになるかもしれません。
なお、このような方には最終手段として自炊があります。料理好きの方なら問題ないでしょう。
4.中国が嫌い
これはどうにもなりませんね。中国嫌いの方は中国に来てもいやなものばかり目に付くものです。これが中国語をマスターしたいという意気込みに影響を与えないのなら問題はないのかもしれませんが。
大陸は嫌いだけど台湾はOKという方は留学先に台湾を選んでもいいと思います。
5.内向的
中国留学のメリットは中国語を話す機会が多いところにあります。内向的な性格の方は中国語での会話をためらう傾向が強く、中国留学のメリットを生かすことができません。
せっかく中国にいるのに日本国内での勉強と何も変わらないような状況になってしまっては、わざわざ中国まで留学しに来た意味がないというものです。
6.生真面目
中国人は日本人に比べかなりルーズです。褒め言葉で形容すれば「おおらか」とも言えるのですが、このいい加減さを許容できないという典型的日本人型の方はストレスをためることになると思います。
以上、これに当てはまる方は中国留学に必ず失敗する、という訳ではありませんが、当てはまる項目が多ければ多いほど失敗する可能性も高くなります。
次に中国留学で成功する人のパターンを見てみたいと思います。