単位を認定してくれるような交換留学制度がある大学に所属している場合はこの心配はないのですが、実際に交換留学という形態で留学できる方はそれほど多くはありません。
そこで、今回は交換留学制度のない大学に所属している大学生のために、休学しないことを前提とした中国留学について考えてみたいと思います。
2ヶ月短期留学×6回=1年長期留学?
休学しなくても済む留学といえば短期留学をおいて他にありません。大学生なら春季と夏季にそれぞれ2ヶ月前後の長期休暇がありますから、これを利用して短期留学を行えばいいでしょう。
大学四回生になるまでに計6回の長期休暇があり、1回2ヶ月として計算すれば12ヶ月、まるっと1年です。仮に長期休暇のたびに中国に留学すれば、1年の長期留学と同じ計算になります。
ただし、ちょっと考えればわかりますが、この留学プランはあまり現実的ではありません。短期留学プログラムはその多くが入門初級コースや速成コースが中心で、適切なレベルのプログラムを見つけるのは容易なことではありません。
おまけに短期留学はその実は勉強付き旅行であるようなプログラムも少なくなく、純粋に中国語のブラッシュアップを求めている学習者の場合は無駄なイベントが多いように感じるかもしれません。
十分な独学力を持っており、且つ現地にコネがある場合は、旅行ビザで渡航し大学内もしくは大学近隣にアパートを借りて、家庭教師を雇って中国語の特訓をするという手もありますが、多くの方にとってはあまり現実的な話ではないでしょう。
また、短期留学を重ねるのは費用効果も高くありません。中国は距離的に近いので欧米諸国への留学に比べ航空運賃は安くて済みますが、それでも留学費用に占める航空チケット代の割合を考えると、短期留学の繰り返すこの方法は留学費用の増大を招いてしまいます。
2回の短期留学で勝負
短期留学しか選択肢がない場合は基本的に2回の短期留学で勝負を決める他ありません。初級終了レベルで1回、中級終了レベルで1回です。初級レベル終了時の短期留学に関しては前項でも述べたとおりですが、中級終了時の留学は実地会話訓練に学習目的を絞ります。新しいものを覚えるというよりも、今持っているものを実践会話の中で使えるようにするための留学です。狂ったように話しまくってください。
できれば、2回目の留学は短期留学プログラムを利用するのではなく、個人でツテをたどって家庭教師を雇う方がより効率的です。
インターネットが発達していますから現地と連絡を取るのも簡単です。1度目の短期留学の機会やインターネットなどを利用して、中級終了までの間に現地にネットワークを構築しておくのが理想でしょう。
学期留学の裏技
これまで1年の長期留学と2ヶ月未満の短期留学に限って話を進めてきましたが、実は、学期留学なら休学しなくても中国留学を果たすことができる場合があります。
ここで言う学期留学とは1学期間の留学のことです。1年の長期留学は学期にすると2学期分で、ちょうどその半分です。一般には半年の留学と認識されていますが、実際の学習期間は4ヶ月そこそこでしかありません。
中国の大学は2月(春節の日付次第では3月にずれ込むことあり)と9月に開講します。外国人向けの留学プログラムもこれに倣うのが普通です。
このため、日本の大学側のカリキュラム選択を工夫すれば、4ヶ月ほど中国へ抜け出して期末試験直前に帰国するという手段がないわけでもないのです。
大学によって多少の格差はあるでしょうが、文系の場合一回生二回生の間にしっかりと単位を修得しておけば、3年目のカリキュラムはかなりスカスカになります。出席しなくても問題にならないような科目でカリキュラムを固めることができれば、友人に後を託して中国へ旅立ってしまうという計画も現実味を帯びてきます。
ゼミだって物分りの良い先生方も少なくありません。遊びに行くわけではないのですから、誠意を持って相談すれば許可してくれる方も少なくないと思います。
これは国公立と私立の差、大学間の差もあるでしょうから一概には言えませんが、可能なようなら一度考えてみても良いのではないでしょうか。