中国旅行で中国語楽習

前々項「短期&長期中国留学のコラボで余裕の中国語楽習」では中国語楽習の観点から中国留学について考えてみましたが、現実には中国留学できる金銭的時間的余裕がある人はそれほど多くはありません。

また、前項「インターネットチャットとオンライン中国語会話学習サービスで中国語楽習」ではその代替としてのオンラインチャットの利用法を紹介しましたが、残念ながらインターネットだけでは中国留学のように完全な中国語環境の中に身を置くことはできません。

それではつまらない、やはり中国で実際に中国語を使ってみたい......という学習者にとって、この部分を補うための最も簡単な方法と言えば......「中国旅行」しかありませんね。

個人旅行

一口に中国旅行といっても形態はさまざまですが、中国語の実践が目的ならば、ツアーなんかに参加してはいけません。バックパッカーの意気込みで、一人で中国に飛び込んではじめて、中国語を使わざるを得ない状況に自分を追い込むことができます。

一人では不安だから二人三人で......というように徒党を組んではなりません。その途端に甘えが生まれてしまい、学習効果は激減してしまいます。

とは言っても、旅行慣れでもしていない限り、個人旅行は、特に中国語力に乏しい学習者にとってはなかなか難しいものです。安全性の問題もありますし。

このような場合はツテなどを頼って、現地で個人ガイドを用意してもらうと良いでしょう。信頼できる筋から依頼すれば、まず問題はありません。

もちろん、依頼する際は、間違っても日本語のわかる中国人なんていう注文をつけてはいけません。逆に、明確に中国語学習を兼ねた旅行であることを告げ、日本語のわかる人はダメ、と念を押してお願いするようにしましょう。日本語を学んでいる学生なんかがガイドになると、実質的にその学生の日本語のお勉強に付き合う結果になってしまいます。

チャット友達

それらしいツテがない......という方は、オンラインチャットなどで作った友人にお願いする、という手段もあります。もっとも、インターネットを経由して知り合った相手ですから、危険性は小さくありません。特に女性の場合は気をつけた方が良いでしょう。

対策としては、現地に日本人を含む複数の友人を作っておき、すぐに連携をとることができる体制を作っておくことが考えられます。もっとも、それでも危険性は小さくありませんから、よほど中国語力に自信があったり、旅行慣れしている、場数を踏んでいる、という方でもない限り、無理はしない方が良いと思います。

中国語は大声で

現地では、とにかく積極的に中国語を使っていきましょう。下手でも結構、「旅の恥はかき捨て」の気概で会話してください。第一、外国人旅行客なんですから、中国語が使えなくて当たり前、下手でも使えるのならすばらしいことなんです。下手でも必死で日本語を使おうとする来日外国人旅行客を見て、あなたはどう思いますか。

ただ、レベルの低い学習者の場合はなかなか通じないかもしれません。そんな方のために通じやすくするカンタンなコツをお伝えします。「大声で話す」のです。

中国人は日本人に比べ押しなべて声が大きいので、標準日本人の声量で中国語を使うと、その中国語が正しい表現で、発音にもそれほど大きな瑕疵がない場合でも、すんなり聞き取ってもらえないことが多々あります。

通じないとみると焦ってしまうのがレベルの低い学習者の性ですから、表現が余計に支離滅裂となってしまい、成立するはずだったコミュニケーションもそこで途切れてしまいます。もったいないことです。

現地に足を踏み入れたら、文法や発音はひとまず置いておいて、とにかく大きな声で話すことを心がけてみてください。発音に気を配って会話するより大きな効果が期待できます。そもそも、中国人の発音だって標準から離れている人が多いんですから、良いんですよ、多少間違っていても。外国人旅行客なんですから、中国語でコミュニケーションを取ろうとするだけで祝勝な存在です。歓迎してもらえますよ。

うまくいけば、現地で多くの友人を作ることができます。こういった人脈は帰国後も何かと役に立ちますから、学習や習得後の選択の幅も広がるでしょう。初級レベルを修了したぐらいで、一度中国旅行にチャレンジされてはいかがでしょうか。