では、大多数の人にとって、楽しいものとは何でしょうか。
お勉強の正反対に位置するものは「遊び」です。例えばゲームとか、漫画・アニメとか。ショッピングやスポーツなんかもそうですね。
いわゆる「遊び」と重なるものが「趣味」です。上述のゲームやスポーツなどもその一つでしょう。いずれにせよ、自分の好きなことを行うことは楽しいものです。
では、中国語を自分の趣味に重ねることで、中国語を楽しいものにすることはできないものでしょうか。
中国語のツール化
例えば、漫画やアニメだったら中国語版の漫画・アニメを見るとか、映画だったら中国映画を見る、とかが考えられます。
ショッピングとなると中国旅行でもしないとできませんが、ネットショッピングだったらパソコンとインターネットさえあればどこでも可能です。
このアプローチは、中国語の勉強を目的とはせず、他の目的を達成するツールとするところにその特徴があります。中国語のために何かをするのではなく、自分の好きな何かのために中国語を使うのです。
中国語に接しているので、自ずと中国語の学習になります。本人が意識していようがしていまいが、中国語の血肉化(習熟度向上)効果が働くからです。
この方法は漫画やアニメのように言語を介するものでなければならないという制限があるので限度もありますが、趣味に関する周辺知識の収集、というように範囲を広げて考えれば、多くの趣味に対応することができます。
例えばバスケットボールが好きならば、それに関する情報、例えばNBAの情報は中国語で集める、とすれば良いのです。
このように、ツール化は一見すると理想的な方法ですが、この方法はあくまで中国語をツール化できるレベルに到達していることが大前提となるため、始めから終わりまでこの方法でやり通すことはできません。
どちらかというと、長期戦となる中国語中級レベルを楽しくやり過ごすための方法論、と位置づける方が適切かもしれません。
ゲームメソッド
一方で、パソコンやインターネットの発達によって、20世紀においては考えられなかった学習メソッドが出現しています。中国語の学習そのものをゲーム化してしまった製品が出現しているのです。
発音やピンイン、語彙、文法をゲーム感覚で勉強することができます。従来の紙ベースのテキストでは考えられなかったものが、パソコンやゲーム機の発達により実現してしまったのです。
現状では入門・初級レベルに限定されていますが、中国語における入門レベルの重要性を考えると、これはとてつもなく大きな一歩ではないのか、と私は考えています。
今後採算性次第で中級・上級向けの製品も出てくるでしょう。今、語学の革命が静かに進行しているのです。
ちなみにゲーム性を取り入れている代表的な製品に旺文社の通信講座「ゼロからカンタン中国語」や、DSで発売されている「学研 中国語三昧DS」があります。何かとつまづきやすい中国語の入門レベルを楽しくやり過ごすことができるので、これから中国語を始める、という方にはおすすめですね。