「即学即用」とは学んだものをすぐに使うことです。これ自体アウトプット力を高める学習法として非常に有用なのですが、楽習法という観点から見ても、その効用は小さくありません。
即学即用
以前「成長の喜び......「楽(たの)習」の源ここにあり」と「中国語のツール化で中国語楽(たの)習」でも言及しましたが、万人に共通するお手軽な享楽には「即興性」が必要です。数ヵ月後、数年後に現れる結果を求めて今を楽しむことは誰にもできることではありませんが、今すぐ楽しめるものは誰でも楽しめるものです。
即学即用の効用はここにあります。学んだものをすぐに使うので、学んだことによって得られた成果をすぐに実感することができるためです。
中でも会話はその効果が顕著に現れる項目です。「中国語を話している」という強烈な体験は、読み書き中心で会話を軽視してきた学校英語教育の産物である外国語会話コンプレックスをくすぐり、その効果は極めて大きくなります。
問題は、即学即用するにはそれなりの基礎力が必要になることです。即実践、という訳ですから、最低限実践できるだけのレベルはどうしても必要となります。例えば、会話は双方向のものなので、一言二言話せるぐらいでは会話として成り立たず、会話相手に迷惑をかけることにしかなりません。
投資
そのレベルに至らない段階で即学即用を実践するには、一対一で学習をサポートしてくれる家庭教師のような存在が必要になります。費用はバカになりませんが、優秀な家庭教師に個人授業してもらうことは、それだけの価値があるのです。
このような指導は中国語ができれば誰でもできるという訳ではありません。残念ながら、適当な中国人を捕まえて会話すればよい、という訳にはいかないのです。
いやな話ではありますが、語学においても、金銭は大きな効力を発揮します。電子辞書然り、家庭教師然り。労力を省き、時間当たりの学習効率を高めるには、やはりある程度の投資は必要になるものです。
もっとも、最近ではインターネットを介した個人レッスンを提供している会社や団体が雨後の筍のように増殖しているので、比較的低価格で個人レッスンを受けることも可能です。
ただし、そのレッスンの質はピンからキリまでかなり幅広いものがあると思われるので、選択に際しては細心の注意が必要になるでしょう。
また、自腹を切った投資は痛いことは痛いのですが、習得へのインセンティブなるという利点があります。それだけの金を使っているんだから、身につかなかったら大損だ、という意識は、学習意欲を向上させるのにプラスになるものです。