コンテンツ・機能情報
※コンテンツ一覧は中国語電子辞書比較表 (2008)を、前機種との差分についてはCASIO Ex-word 中国語モデルのまとめを参照のこと。
解説
以下にまず新バージョンの注目すべき点を列挙してみる。
ここに注目!①……「便利!手書き入力機能」
先代から導入された中国語手書き入力機能。新バージョンではグレードアップしてツインタッチパネルとなっている。
で、ツインタッチパネルって何?という方に簡単に解説。通常の画面(メインパネル)に加え、キーボードの手前の部分に手書き入力可能なミニパネルが装着されている。メインパネルは大画面のため画数の多い漢字も入力しやすい。手元の手書きパネルは2マス画面(アルファベットの場合は5マス)で連続入力することができる。
中国語は同音の漢字が多く、アルファベット順に並んでいるピンインから語彙を探すのは想像以上に手が掛かる作業である。また、その語彙のピンインがわからない場合(特に初級者)はさらに厄介で、部首、画数から単語を引くことになるのだが、これが面倒この上なし。
この問題を克服したのが手書き入力機能。英語ならあってもなくてもよさそうな機能だが、中国語では必須と言って良い。特に頭の中で漢字とピンインが一致しない初級者にとっては欠かせない機能である。中国語を重視していないメーカーの電子辞書はこの機能がついていなかったりするが、手書き検索機能がついてなければ買う価値は半減する。中国語学習用に購入するならこの機能は絶対に譲れない。
ここに注目!②……「音声付」
今や電子辞書では当たり前となってきた発音読み上げ機能。初級者には必須でしょう。
ここに注目!④……「最新の辞書を収録」
これは先代からだが、『小学館 中日辞典第2版』、『小学館 日中辞典第2版』が収録されている。辞書コンテンツの更新が遅れていた電子辞書だが、とりあえず紙に追いついた、ということで、その優位性がさらに際立ってきている。
ここに注目!⑤……「中日大辞典収録(上位機種のみ)」
日本で発行されている最大の中日辞典『中日大辞典 増訂第二版』が収録されている。この辞書の有無は電子辞書メーカーの中国語モデルに対する気概を測るバロメーターの一つである。
ここに注目!⑥……「強力な検索機能」
複数の辞書をまとめて検索できる。見出し項目のみならず、例文検索も可能である。画面を分割して複数の単語を検索できるので、類語の比較にも便利である。
ここが不満!……「中中辞書が収録されていれば……」
ライバルのキヤノン wordtank V903が収録している『現代漢語詞典』がエクスワードには収録されていない。前バージョンで収録されなかったので新バージョンでの搭載を期待していたのだが、肩透かしだったようだ。
『現代漢語詞典』に代表される中中辞書の中級以降の中国語学習における有用性を考えると、中中辞書が収録されていないのは残念でならない。
総括
中国語電子辞書においてはキヤノンの対抗馬に位置づけられるカシオだが、今回のリリースではキヤノンとの差を埋めることができなかった……というかさらに距離が開いてしまった感が否めない。
エクスワードも機能上は申し分ないのだが、辞書コンテンツとして『現代漢語詞典』が収録されていないのが実に痛い。一年では穴埋めできなかったか。『現代漢語詞典』が収録されればその差は一気に縮まるので、次期リリースに期待したい。
ちなみに入門初級レベルでは『現代漢語詞典』は必要ないので、これから中国語を始める、という方は気にしなくても構わない。「エクスワードの方が使いやすい」という方はカシオを選択すれば良い。
ライバル他社の中国語電子辞書と比較したレポートも公開している。合わせて参照のこと。
【比較検証レポート】最強の中国語電子辞書はどれだ...... ワードタンクV903 vs エクスワード vs パピルスPW-LT220
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